今回解説するスプレッドはクレジットスプレッドです。
このスプレッドは利益限定・損失限定になります。
ポジションの取り方は、
日経(先物)に近い方のオプションを売り、遠い方のオプションを買います。
コール・プットどっちでも組成可能ですが、コールならコール、プットならプットと合わせてください。
例えば、
コール売り 権利行使価格 2万9000円 50円(プレミアム)
コール買い 権利行使価格 2万9250円 35円(プレミアム)
というポジションを組むことになります。
この場合、
最大利益 プレミアム価格の差額 50-35=15円(1万5,000円)
最大損失 権利行使価格の差ー利益 250-15=235円(23万5,000円)
になります。
権利行使価格の幅を500円や1000円にするなどの調整も可能です。
ポジションの組み方によって利益額や損失額も変わってきます。
デビットスプレッドとは、売り・買いが反対になります。



今回の場合、損失限定とはいえ利益1万5,000円に対して損失23万5,000円となると、完全に割りに合わないですよね(笑)。
当然利点も大きいです。
イラストを見ても分かるように、基本的には利益になりやすいスプレッドです。
このスプレッドを使うなら、届かないであろう遠くの価格を使った方が良いと思います。
ここで注意があります。
この価格までは届かないだろうという気持ちで、オプション(コール・プット)だけを売るのはやめておいた方がいいです。
買いを入れるなどして必ずヘッジを入れるようにしてください。
以前もグリークスやIVのところで説明したのですが、大きく価格が変動した場合、
・グリークス(ガンマ、ベガ)+IVが爆発してオプション価格が跳ね上がる
・必要証拠金が上がり、売った価格に到達してなくても追証になってしまう
からです。
このことは絶対に忘れないでください!
それでも「オプションを単体で売った方が利益が大きい。どうしても売りてぇー!」
という人は、
日経(ATM)に近い価格を売る
ようにしてください。
「何でやー!?」というそこのあなた!!
グリークスを思い出してください。(※もう一度見てください。)
・ガンマ・ベガは日経(ATM)の時に値が一番大きくなります。(マジ最強状態!!)
・ガンマ・ベガは日経(ATM)から離れるほど値が小さくなっていきます。(弱くなる!)
ということを。
『マジ最強状態』を売れば相場がどっちに行ってもガンマ・ベガ値は小さくなっていくのです。
「じゃあ、ITM(インザマネー)になったらどうするの?」という疑問も出てくるでしょう。
損切りをしたくても、注文数(板が薄い)が少なすぎて、かなり損な状況で決済させられてしまいます。
しかし、しかーし!!
そんな時にも適正な価格で損失を固定する方法があります。
その技をプットコールパリティといいます。
この方法については、また別の機会に説明します。
※ITM・・・日経2万8,000円の場合 コール側2万8,000円以下・プット側2万8,000円位以上のオプションを保有していること。注文板が薄くなってしまい、適正価格で決済するのが難しくなってしまう。


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