機関投資家はリスクを冒したくない
相場が動かないとがっかりするトレーダーさんは多いですよね?
ゆるくもその1人です。
先物トレーダーは価格が動かないと稼げないし、オプショントレーダーはボラティリティがないと稼ぎにくいです。
価格が動かなくて喜ぶのは、ショートストラングルやカバードコールなどのベガショート系スプレッドを組んでいるトレーダーさんです。
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自分だったらどうする?
では機関投資家はどう考えているのでしょうか?
私には分かりません。すいません。
しかし思うところはあります。先物はほとんどがボックス相場だということです。
トレンド相場より、ボックス相場の方が圧倒的に長いのです。
ここで想像してみます。
オプションの建玉残高を研究している人なら分かると思いますが、機関投資家はオプションを大量に売っています。もちろん会社にもよりますし、当然ヘッジもかけています。
彼らは個人投資家や他の機関投資家からお金を奪いたい訳ですよね。
今の時代だと、トレードのほとんどは超高性能のコンピューターが行っています。
資金力・情報量・能力。
全てが個人投資家を遥かに凌駕しています。
資金力にものを言わせたトレードも可能です。
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しかし、言い方は悪いですが所詮は会社です。一組織に過ぎません。
トレードをしているのがコンピューターだとしても、それを作っている大元は人間です。
お勤めをしている人は入社してから現在まで、様々な苦労をしてきたと思います。
仕事ができるようになるため、一生懸命仕事を覚えたと思います。
マーケティング、書類の書き方、法的根拠、同業他社の研究など数えきれない程の勉強と実践を積んできたと思います。
学生の皆さんは、受験・テストのために得意教科を伸ばし、苦手教科を克服して受験する学校の過去問を解き、その傾向を探ってきたと思います。塾にも通っていた人も多いのではないでしょうか?
当たり前だろ!そう言われそうです。
そうです。努力の程度は人によって違いますが、ほとんどの人はそれなりに努力をしてきたと思います。
機関投資家は会社です
同じ様に機関投資家についても考えてみてください。
個人投資家の資金力・心理・損切りラインなど、それらを現物・先物・オプションの保有状況などから多額の利益を得る方法を研究しています。
それも徹底的に!!
お金が絡むのです。
赤字となればお客さんに説明をしなければなりません。(赤字に限らずですが・・・)
マイナスが続けば赤字となり、会社は潰れます。
会社や生活がかかっているのに、生半可な気持ちでやっている訳がありません。
機関投資家も必死です。
利益を得るために価格を動かしたり、逆に膠着させたり・・・。
想定外の人災・天災で相場が大きく動いた時は、機関投資家も大きな損失を出しています。
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その反面、大きなリスクを背負って価格を動かそうとすると思いますか?
あなたが会社の責任者だったとして、資金力全てを使って日経を動かそうとしますか?
成功したらとんでもない利益を得ることができるでしょう。
しかし、これが失敗したらどうしますか?
他の機関投資家がアルゴで大量に反対売買してきたら?
口裏を合わせていた他の機関投資家が万が一裏切ったら?(完全な違法行為ですがw)
トレードはリスクの伴う行為です。
ですが、リスクを極力減らすのがトレーダーです。
会社が潰れるかも知れない、社員を路頭に迷わせるかも知れない。
そんな大勝負をすると思いますか?
そんな会社は早かれ遅かれ潰れます。
個人投資家も同じです。
長年相場に残っている個人投資家さんのほとんどは、大きなリスクを取っていません。
取っていたとしても、しっかりと撤退をしています。
『刺激』よりも『利益』
私達トレーダーは、価格が動くことで刺激を求めています。
コロナ暴落の時は、多くのトレーダーさんが狂喜乱舞していました。
数百円があっという間に動くさまを見て、興奮してチャートを見ていたのではないでしょうか?
これが機関投資家だったらどう思いますか?
私だったら嫌ですね。
実際にこの時、某有名な機関投資家が巨額の損失を出しています。
いくらアルゴが働いているとはいえ、想定外の人災・天災による暴落は多数の売り玉を損切りしていくことになります。
IVが飛び跳ねているため、コール売りも大した利益になっていないどころか損失になっている可能性すらあります。
先ほども言いましたが、ヘッジをかけているとはいえ機関投資家は大量にオプションを売っています。
当然、売り玉を利確したいはずです。
仕事として利益を追求する以上、欲しいのは『刺激』ではなく『利益』なのです。
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恐怖は煽るが・・・
とはいえ、1ヶ月間ずっと膠着状態という訳にはいきません。
個人投資家の損切りを誘う必要があるからです。
徹底したデータのもと、個人投資家の損切りを誘うために価格を動かしてきます。
1日で1000円近い下落も珍しくありません。
我慢に我慢を重ねて結局損切りをしたのに、何事もなかったかの様に価格が戻ってきて悔しい思いをする。
よくあることです。
基本的に、理由なき暴落は価格が戻ってきます。
損切りをしなくていいということではありません。
機関投資家にとって、1000円程度の下落はリスクではないのです。
恐怖を煽っていることの方が圧倒的に多いのです。
相場の世界に長くいるトレーダーさんのほとんどは、経験則から理解している人が多いと思います。
コロナショックのような暴落の場合、
売り玉を大量に損切り(多額の損失) → 損失を補い、ヘッジのためにプットを大量に買う
というループに陥るため、下落が下落を呼んでしまうのです。
機関投資家は、個人投資家以上にそんなリスクは冒したくありません。
自分のお金ではなく、お客さんのお金だから尚更です。
大暴落の時は、個人投資家の方がチャンスです。
ここぞとばかりにファーのプットを大量に買うという勝負もできますからw
終わり・・・
以上です。
機関投資家は資金力・データ・組織力など・・・、全てが圧倒的です。
ですが、組織である以上、個人の裁量は入ってきません。
損切りラインなどもアルゴで徹底しています。
アルゴは素晴らしいですが、相場環境によっては裏目にでることもあります。
負けることも珍しくありません。
それでは、私達個人投資家はどうすればいいのか?
いつも言っていますが、ポジションを持った後は『自分の思った通りに行くことはほとんどない』
と考えておくことです。
機関投資家ですら上手くいかないことがあるのに、個人で上手くいくことなどほとんどありません。

- 上手くいかないことを前提にした取引。
- 損切りラインを決めてからポジションをとる。
- 少しでも優位性をあげるため、正しい方向性の努力をする。
- チャンスがくるまで待つ。
- エントリー回数を減らす。
- 相場環境に応じた合成スプレッドを組む。
- 1回の取引に囚われない。総合的に利益を得る。
1日で仕事ができるようにはなりません。
1日で勉強ができるようにはなりません。
日々の積み重ねで上達していったと思います。
ですが、相場だと最初から上手くいくと思ってしまう・・・、完全に私のことですw
しかし、希望もあります。
あまり勉強をせずにトレードをやっている人が多いので、努力の方向性さえ間違えなければ稼げる可能性は高いと思っています。
コメント
以前、外資投資銀行担当者が、日本ほど儲けるのに簡単なマーケットはないと言っていました。
残念ながら、日本の投資家さんは、カモにされているわけです。
その中で勝つためには、文中にある1000円くらい動かされても平気というのが、ヒントかな思います。
ユウ様
ご連絡ありがとうございます。
私はブログ立ち上げ前からユウ様のブログを拝見させていただいております。
特に米国関連の記事は難しいことを分かりやすく説明してあり、勉強させていただいております。
私が書いた記事は経験からくる想像ですが、ユウ様のコメントからヒントを得て、
更に勉強していきたいと思います。
勉強、研究、ぜひがんばってください!
いいアイデアを思いついたら、ぜひ教えてください!
外資投資銀行の担当者と話していて、このやろー!と当方も思ったものです。
1000円は、大きな値幅のように思いますが、約4%。
株式市場は、1日に2%、動いても普通の世界です。
したがって、1000円くらい、軽く上下に振られてしまうので、その度にポジション調整の実現損を出していると、利益を上げるのは難しいと思います。
ありがとうございます。
1000円程度の下落が起きている時は、必ず情報を集める様にしています。
たいした情報がない時は、「大口さんが損切りを誘ってるな」と思っています。
価格が戻ることが多く、戻らないとしても更なる暴落が起こったということは記憶にありません。
大口だけが先に情報を知っていたとしても、情報はいずれ個人にも落ちてくるはずですから。
やはりポジションとメンタルが重要ですね。